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「神よ憐れみたまえ」はバッハの「マタイ受難曲」のなかの曲名?とのこと。
さて、小説は殺人事件から始まります。
焦燥感に満ちた文章で物語に入り込む感覚を味わいました。
570ページの文章は、図書館で受け取った時に思わず「うぇっ」と声が出てしまいましたが、長いという感じもせず、あっという間に読み終えてしまいました。
特に19章の叔父の語りのキモさが酷く…キモい、あ、キモい。
と思いながら(つぶやきながら)読んでいました。
その後の犯人に百々子が辿り着くまでの展開は何となく読めましたが、続き気になるーといった感じで最後まで面白かったです。
百々子の強さとたづと石川家の明るさが暗い物語の中で救いとなっていました。
一度きりの人生をどう生きるか、生きることについて、幸せとは?そういうことを考える小説です。
最後に思い出の地に住まいを移した百々子。喧騒から逃げるように空気の良い街へ移り住む心境は共感するものがありました。