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町田そのこ
よかった。
星を掬うとか52ヘルツのクジラたちとかみたいに陰鬱すぎなくて。
佐伯が終始登場人物を明るく灯したり導いていて、あたたかかった。
理想の母親像に全く該当しない自分には耳が痛くなる描写が多くて、
申し訳なくなってしまった。
理想の母親、なりたいけど私は不適合なんだなぁ。
友達、妹、実母を見てるとそう思う。
情けないけど。
可愛いと思う気持ちと、彼女を見捨てない自信はある。
でも、いつか娘はこんな母親に愛想を尽かすのかな。
毒親やクソな家族がたくさんでてきだけど、
ファンタジーとかフィクションじゃないといいなった思った。
私がダメすぎるから…
食事、料理を通してつながっていく人の心。
料理が人の心に温かい光を灯していく。
その様子が親子の成長、人との関わりの中でわかりやすく描かれていた。
弱さも強さも、狡さも汚さも、全ての心のカテゴリが描かれているのではというほどジェットコースターのようにこころが動いていく。
読んだ後はぽっと温かく優しいきもにになった。