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十七歳の夏、親もとを出て「黄色い家」に集った少女たちは、生きていくためにカード犯罪の出し子というシノギに手を染める。危ういバランスで成り立っていた共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解し……。人はなぜ罪を犯すのか。世界が注目する作家が初めて挑む、圧巻のクライム・サスペンス。
新興宗教、カルトのような怖さを孕んだ物語だった。
家庭環境は良くないけれど性善説に基づけば普通の純粋な子供だった花が、
1人の大人との出会いで5年の月日を経てもともとのよさや常識を失っていく怖さ。
とても自然で、怖くなりました。
登場人物の全てがまともではないのだけれど、
生まれる場所を選べない子供が、環境に左右され、形作られていく哀しさ。
軽度知的障害者が闇の世界で利用されている描写。
無知という弱点を感じました。
また、貧困という悪循環の強さ。
社会のどうしようもなさを感じました。