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寺地はるな
新型ウイルスが広まった2020年の夏。カフェの店長を務める29歳の清瀬は、恋人の松木とすれ違いが続いていた。原因は彼の「隠し事」のせいだ。そんなある日、松木が怪我をして意識を失い、病院に運ばれたという連絡を受ける。意識の回復を待つ間、彼の部屋を訪れた清瀬は3冊のノートを見つけた。そこにあったのは、子供のような拙い文字と、無数の手紙の下書きたち。清瀬は、松木とのすれ違いの“本当の理由”を知ることになり…。正しさに消されゆく声を丁寧に紡ぎ、誰かと共に生きる痛みとその先の希望を描いた物語。
松木と共に倒れていたいっちゃんは、ディスレクシア。いわゆる読み書き障害と言われているものです。
文字通り、がんばりだけではどうにもならないのです。
車椅子の人に、頑張って歩かせないですよね。
同じように障害です。
わたしがこの本に好感を持ったのは、主人公の清瀬が無知な人として描かれていたところです。
問題を突きつけていると思います。
どんな人にもバックボーンがあるのだと考える時間を設けることについて改めて考えました。
また、天音についてですが、これも上記の通り、なぜこのような言動を取るのかということについて怒りを覚えるのではなく、立ち止まって考えることで見えてくるものがあるだろうと思いました。