読書感想文など

30代後半の忘備録です。

【89】リカバリー・カバヒコ

青山美智子

 

サンライズクリーニングのそばにある

小さな日の出公園に佇む

アニマルライドには「カバヒコ」という名前がついている。

悪いところを癒す力をもつという都市伝説は

リカバリー・カバヒコ」としてまことしやかに

ささやかれている。

 

1話読むたびに癒されるのは

カバヒコのおかげかもしれない。

人の心を巣食う不安や不満を癒す

きっかけを与えてくれるカバヒコ。

いや、カバヒコの周りに集まる人々の

温かい心のバトンのおかげ。

そもそもの発端は、

サンライズクリーニングの店主の息子への愛。

 

人は言葉を通して分かり合える。

言わなくてもわかるはず、は傲慢。

勇気をもって一歩踏み出した人々が必ず報われるのはファンタジーだからなのかもしれないけれど、

明日からの生き方を考えさせられる物語でした。