over the sunを聴いたことで出会うこととなった本。
「東電女性社員(OL)殺人事件」を題材としたフィクション。
わたしはリアルタイムでこの事件を知らない。
どちらかというと被告人の冤罪が確定したことがニュースになっていた記憶がある。
グロテスクを読んで、
わたしは、物語の語り部である「わたし」に最も近い気がする。
凡庸で卑屈で、持つ者の土俵に初めから自分が乗らないことで自分を守っている。
努力する和恵でもなく
秀才なミツルでもなく
当たり前だが、怪物と評される美貌をもつユリコでもない。
読んでいて気持ち悪くなってくるのは
題名「グロテスク」の通り。驚きだ。
桐野夏生さんの文章の力に圧倒される。