読書感想文など

30代後半の忘備録です。

【93】グロテスク 上

桐野夏生

 

over the sunを聴いたことで出会うこととなった本。

「東電女性社員(OL)殺人事件」を題材としたフィクション。

 

わたしはリアルタイムでこの事件を知らない。

どちらかというと被告人の冤罪が確定したことがニュースになっていた記憶がある。

 

グロテスクを読んで、

わたしは、物語の語り部である「わたし」に最も近い気がする。

凡庸で卑屈で、持つ者の土俵に初めから自分が乗らないことで自分を守っている。

努力する和恵でもなく

秀才なミツルでもなく

当たり前だが、怪物と評される美貌をもつユリコでもない。

 

読んでいて気持ち悪くなってくるのは

題名「グロテスク」の通り。驚きだ。

桐野夏生さんの文章の力に圧倒される。