〜本の紹介より〜
平成生まれの大卒社員が社会人になった。中高年の多くが「最近の若者は何を考えているのかわからない」という悩みを抱えている。若者に特有のプライドとは何か、コンプレックスとは、恋愛や人間関係とは……「学歴」「お金」「睡眠」「勉強」「責任」「自分みがき」「いじめ」「遊び」「涙」「友達」「環境」「仕事」「クルマ」「平和」「ブランド」「結婚」など40のキーワードを元に精神科医で立教大学教授の著者が、中高年と若者の心理の違いを綴った10年ぶりの若者論。
レビューは酷評が多かったけれど、わたしは面白いと思ったな。
メモしておきたい考え方や視点がたくさんあった。
「わたしのからだは、わたし自身とはなんの関係もない」と感じる症状があるそうだ。
香山リカさんは、ネットの匿名性のメリットよりも、意識する他者が増えることに言及している。それにより
・顔やからだはきれいに見せたいとういう欲求
・かわいいね、かっこいいね、と言ってもらいたいという欲求はますますエスカレートする
ということを述べている。10年以上も前の本にも関わらず、今の若者の姿を予言するような内容だ。
SNOWやTikTokで加工した写真や動画をアップして、GOODを集めたり、
整形をしたり、
良さを活かしたメイクではなく、なりたい雰囲気に近づくようなメイクをしたり。
わたしはそんな若者の文化に馴染めないし、
その渦中に足を踏み込もうとする愛娘を気の毒に思う…
若者みんな可愛いけどね。
若いから好きなことをして欲しいし自信をもって欲しい。
コピペ
大学の課題にネットからの情報をコピペして提出する。
わたしの時代もそういう時代だった。
だって、当時は課題のレポートがすごく難しかった。
今なら考える過程や導く過程、それぞれの考えをアウトプットすることの方が内容より大事だったのではと思えるのだが。当時は遊ぶことに夢中だった。
香山さんは、覚えなくて良くなったその時間で、自分自身も公共財に何か提供すべきではと考えを述べておられる。
なるほど、そうかもしれない。
というか、そうして欲しいし、そういう風に子供にも考えをもっていて欲しい。
カリスマ
昔は、ある人の生き方に感化されて自分を同化し、その人自身になりたいなどと憧れる感覚があったらしい。
確かに、わたし自身もわたしの周りにもそういった考えをもっているとか、傾向がある人はいない。
しかし、わたしの周りの若者にはあまりにもモデルにしたい人がいなさすぎて、自分は自分と思っているような子も多い。
それはそれでまずい。自分と他人を比べて、憧れたり哲学したりすることはいいことだと思う。
アイデンティティの形成は1人ではできないと思う。
香山さんのいうように、いろんな人の要素をつまみ食いし、理想の自分を決めなければならず、理想なんかなくていいかということになると、自己同一性が形成されずに難しい人生を歩むことになる。
夢より現実
仕事選びは大変よ。
どこでもいいって言って就職すると
こんなはずじゃなかったって言って辞めてしまう。
親が行けって言ったから
先生が行けって言ったから
そうやって人のせいにしてね。
生きがいもやりがいや自分らしさも
「強いていうなら」「あえて言うなら」と言った程度のことでいいのよ。
続けてれば何か見つかる。
清掃業の知り合いが言ってた。
「ホテルのトイレを掃除するんだけど、洗面台の蛇口がピカピカなときは俺が担当した日なの」
それってやりがいじゃない?かっけーなって思った。
そう言うの見つけるには5年、10年かかる。
だからまず、がんばって3年仕事続けてねっていうのは、よく言う。