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熊谷はるか
読んでみたいなぁと思っていた本です。
読み始める前はインドをおもしろおかしく書いたお気楽な漫画エッセイみたいな内容だと思っていました。
そうではなく、女子高生がインドの生活に触れ、価値観を変えていく中で私たち日本人に知ってほしいという必死の訴えを感じるような本でした。
「日本人が幸せだと楽しい、辛い、苦しいと言っていることって、おそらく、贅沢なんだろう。」
そういうことは薄々感じてはいたけれど、
わたし自身は感じているだけだし、
積極的に知ろうともしていないです。正直。
海を渡らなければ知り得ない、知ったところでどうすることもできない。
そう思ってしまう。
でも、熊谷はるかさんの本ではそう言う現代社会において訴えていくべき諸問題をただ悲壮感に満ちて訴えるのではなく、
少しずつみんなが気にしてくれたら嬉しい、
そんな気持ちが滲み出ていました。
ハミングバードの話、
桜が無機質に見えたという一文。
この2つが、わたしにとってインドへの興味の度合いを変えました。
だからと言って今何かするわけではないけれど。
この本は、JKが書いたから意味があるのだと思います。
ステレオタイプの女子高生が、
こんなにも考えて自分ごととして胸を痛める。
幸せが一体何か、ということもまだ感じられていない、日本の世の中すら知らない女子高生が
真っ新な心で考えた課題ってところが、
とても良いと思いました。