読書感想文など

30代後半の忘備録です。

【125】わたしが家族について語るなら

桐島洋子


 

未来のおとなへ語るシリーズ。(好き)

今回は家族。

わたしにとって家族をテーマにした作品やエッセイは、胸を苦しくさせるものです。

だから、図書館で試し読みをしました。

夫がいて、子がいる家族の絆が書かれていたら読むのをやめようと思いました。

しかし、そういった内容は一切ありませんでした。

 

わたしは存じませんが、桐島洋子さんは文章を書く方のようです。

わたしの祖母ほどの年齢で、裕福な家庭に生まれ、第二次世界大戦を上海で生き抜き、その後家庭の経済が逼迫し、(それにしても大学へ行くことも選べたよう)就職して前向きに未婚の母の道を選び、3人のお子さんを人の手を借りながら育てた方です。

まず、結婚したら会社を辞める時代がほんの60年前に存在していたことに驚きです。

お嬢様学校に通っていた筆者が会社にバレないように2人を妊娠出産していたその破天荒さもすごい…。

船上で子供を産む計画も周りを巻き込むアグレッシブさも、わたしがいかに現代においても保守派な人間なのだろうと思い知らされました。

愛着障害の本で、乳児期に母親から話された人はそうなる傾向があると読んでいたので、「ええぇ!?」と驚きしかありませんでしたが、結果3人のお子さんは母親を嫌うわけでも道を逸れるわけでもなく、成長されています。

さらに、お子さんを長期に渡り乳母や親に預けたり、子供だけアメリカに住まわせたり…途中、恋愛を繰り返したり再婚したり。

今でも非難されますよ。でも、子育てはうまくいった。

それはなぜだろう。

経験を与えたこと、精神的にも生活的にも自立させたこと。

柱をもっていること。

一緒にいる時にはたっぷり愛情をかけたこと。

母の職業人の姿を見せていたこと。

 

そのようなことを考えながら読みました。

羨ましい。しかし、羨まず、いまからできることをやっていきたいと思います。