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バーリー・ドハティ
受験を目前にしたヘレンとクリスの高校生カップル。
一度の興味(高校生からしたら真剣な愛なのかも)からの出来事でヘレンが妊娠。
初めはノーバディに対する恐怖。
徐々に変化するノーバディへの気持ち。
最後には母性。
子供を愛する父親。
さまざまな登場人物が社会を濃縮したようなアイデンティティをもち、描かれています。
わたしは、クリスの父親の、母への執着のような愛も好きだし、ヘレンの父の、父親の愛も好きだし、クリスの母の感謝という足枷と対峙するように描かれる奔放さ、そこにある現実主義的な人物像も好きだった。
クリスはずっとずっと子供で、ヘレンは母親になっていった。
ヘレンとの間には溝ができ、埋まることはないだろうと思った。
どう生きるか。
命とどう向き合うか。
向き合わなければならないか。
母性とは?
父性とは?
考えるべきテーマや課題の多い小説でした。