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カルロ・コッローディ
大岡玲 訳
読み始めたきっかけは、ディズニー映画のピノキオを久しぶりに観たこと。
歴史的背景が気になってググりながら見ていく中で、原作に言及しているサイトが多く、そのあらすじがひどいもので怖いもの見たさの気持ちが湧いてきました。
背景は1800年代のイタリア。
思った通り、ゼペットじいさんは貧しく、当時の労働者階級(人口のほとんど)に刺さる物語だったと思われます。
さて、悪い木からできたピノッキオ。
ジェペット爺さんから自由を与えられるや否や、いきなり悪さを始めます。
まさしく手に負えないクソガキ。
忠告をしてくれるコオロギを木のハンマーで潰し殺し、
ジェペットがたった一枚の服を売って得た小銭をサーカスを観ることに使い、
お腹が空いたと喚いて与えられた果物を「皮がついていて食べられない」と言う姿に、読んでいて頭にきました。
サーカスで偶然得た金貨5枚をペテン師のキツネとネコに騙し取られるところなど、目も当てられません。
上手い話はないよ、っていう教訓、ずーっと昔からあるのに、今も騙される人がいますよねぇ…
情報商材を買う人とか、受け子の仕事をしちゃう人のことを思い浮かべました…
お金を得るには、きちんと知識や常識を身につけて働くことしかないのだよということが描かれており、不朽の真理なのだなぁと思いました。
YouTuberのゆた○んさんが何となく思い浮かびどうとは言いませんが、ピノッキオみたいだなって思ってしまいました。
これでもかこれでもかと愛情をかけてくれる大人をことごとく裏切り、それ見たことかという不幸に見舞われ続けます。
ロバになるシーンは、堪りません。
ディズニー映画ピノキオに出てくるサーカスやおもちゃの国といった、魅力的かつ怪しげで少し怖い雰囲気の映像。
でもその作品とは全く違う物語の原作ピノッキオ。
子供に語りたい教訓も散りばめられ、私は好きだなと思いました。