読書感想文など

30代後半の忘備録です。

【6】夜に星を放つ

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夜に星を放つ [ 窪 美澄 ]
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窪美澄

 

2度目の読了。

誰にでもいずれかの主人公に近しい思いをしたことがあるとおもう。

生きていれば孤独を感じ、無力さを感じ、生きる意味を考えてしまうタイミングはある。

しかし、少し顔を上げて視野を広げれば、人と人は繋がって生きていることに気がつくことができるのかもしれない。

そんなの必要ないなんて言わないで、人の善意や愛を素直に受け止めて、温かい気持ちになってみると少しだけ救われる気持ちになれるものかもしれない。

 

かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。

コロナ禍のさなか、婚活アプリで出会った恋人との関係、30歳を前に早世した双子の妹の彼氏との交流を通して、人が人と別れることの哀しみを描く「真夜中のアボカド」。学校でいじめを受けている女子中学生と亡くなった母親の幽霊との奇妙な同居生活を描く「真珠星スピカ」、父の再婚相手との微妙な溝を埋められない小学生の寄る辺なさを描く「星の随に」など、人の心の揺らぎが輝きを放つ五編。