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篠田桃紅
美術家の篠田桃紅さんのエッセイ。
言葉に孤独と強さがあって素敵。
言ってしまえば生まれが良く、恵まれた環境の方であったからこそ生まれる孤高なのかもしれないが、
そこには生まれた家を自分の運の一つとして活かして成熟させたしたたかさというか
知恵のようなものがあるから、
私たち凡人は唸るほかない。
格言のひとつひとつに、その生まれの良さからのような嫌味はない。
おばあちゃんからの教えのように
ストンと入ってくる。
現代人には未経験の苦労があるからかもしれないし、
成熟した美しい内面をもつからかもしれないし、
その理由はわからない。
おそらく、結婚して子供を産み、子育てをしながら描き続けていた方からこの言葉たちは出てこないだろう。
いや、出てきたとしても響いてこないかもしれない。
色で言うとさらに近いライトグレーのような涼しさのある言葉たち。
読み返したくて購入した。