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主人公中年女性みのりとその回想、祖父清美の回想で構成される物語。
この物語には、戦争が過去のものとして認識されている日本人、今なお戦争のある生活をする外国の人々、インド等途上国の貧困、故郷を追われる難民の人々、生きる意味を見出せずただ日々を繰り返しているような気持ち、やることを見出しそれに突き進む人生、穏やかな生活を愛する姿など、ありとあらゆる視点が描かれています。
これで全て網羅しているように思えるわたしの視野の狭さ。
わたしには忙しくて、一読しただけではテーマを読み取れませんでした。
でも、生きてていいんだよっていうことや、不思議とも言えるつながりなど、力を与えてくれる一冊だと思いました。
この本の中で清美が本当によくて。
熱さ
不憫さ
寡黙の背景にあるもの
誰しもがいつでも何かのきっかけで清美になりうるのだと感じました。
でも、羽ばたける。
何歳でもいい。
なんだかんだ言ってもやっぱりこの世は希望に溢れた世界なのだと思える。
命さえあれば。
生きる意味なんか考えなくていい。
そう思えました。