とても好きな作家の1人、原田マハさんの短編集。
原田マハさんのこれまでの作品とは違う、ひたすら暗くどろっとした内容で、一つ目の物語からなかなかの性描写にびっくりした。
物語の2人の女の子が全く救われなくて、
多分そんなこと望んでなかったんじゃないかな…?いや、この狂気を孕む感じ、この行為を受け入れ喜ぶのかな?
とか、読み終わって「ん?これは…原田マハかい?」と首を捻る感じ。
文は美しく描写は原田マハなんだけれど…
わたしはオフィーリアもいいなと思った。
原田マハさんがアートを描くときの言葉選びが最高に好きだ。オフィーリアは、ミレーのオフィーリアから受け取る雰囲気そのままだった。(ハムレットがあるのだから当たり前なのかもしれないけれど)
しかしながら不倫の話が目立つ。
エンタメとしてはちょっと足りないし、後味も良くない。原田マハだと思って読むとびっくりする。今後、短編じゃなくて、長編でこういった暗い話を読んでみたいかも。
不倫中の人に寄り添える一冊かもしれない。